労働安全
身体的負担のない安全で働きやすい職場づくり
ノーリフティンティングケアが目指しているのは、介護や看護に従事する人たちが、安全で安心して働くことができ、介護や看護を受ける人たちが安全に快適に生活できる福祉・医療の現場です。
ノーリフティングケアを、単なる介護技術ととらえていては、その目標は達成できません。介護・看護など労働者の安全と健康、そしてそれが利用者の安全と健康、快適な暮らしの基盤となります。
腰痛予防対策指針
高知モデルでは、2013年の「腰痛予防対策指針」にのっとり、労働安全の視点を基盤に県内のノーリフティングの普及に努めています。指針をもとに組織でルール化して進める必要があります。
新・職場における腰痛予防対策指針(抜粋)
(2013年(H25)6月18日公表)
労働安全衛生マネジメントシステム手法による腰痛予防の提起
原則として、人力による人の抱き上げは行わせないこと
抱え上げざるを得ないときは、適切な姿勢で、身長差の少ない2名以上で行う
作業環境の整備…訪問介護・看護においては、事業者が各家庭に説明し、対応策への理解を得るようにすること
「行わない」ではなく「行わせない」という言葉でもわかるように、求められているのは、管理の体制です。組織において、ルールとして取り組みを進めましょう。
高知県では、平成30年10月のアンケートにおいて「介護する際の負担が減った 64.6%」「腰痛発生が減少した 36%」と回答が得られています。
労働安全としてのノーリフティングの取り組みにおいては何をしていけばいいのでしょうか?
1.「ヒヤリハット」を集めPDCAで解決
職員全員で身体に負担を感じる業務を洗い出し解決する方法を考え実践する、そんな風土を作ることが大事です。つまり、職員からヒヤリハットを集める工夫、そしてそれを腰痛予防対策チームが中心となりPDCAで解決する、この仕組みがあり、常にこれを実践していることが求められています。労働安全委員会があるところはこれと連動していることが大事です。
2.ケアだけでなくすべての業務から身体の負担になっていることを改善
ノーリフティングは腰痛予防のための取り組みそのものです。ケアだけでなくすべての業務において身体の負担になっていることをヒヤリハットとして抽出し改善していきましょう。